おいしい健康 開発者ブログ

株式会社おいしい健康で働くエンジニア・デザイナーが社内の様子をお伝えします。

Kaigi on Rails 2025参加レポート

Kaigi on Rails 2025の会場

こんにちは、Webエンジニアの駒津です。 Kaigi on Rails 2025に、おいしい健康のメンバー3人でオフライン参加してきました。

私は今回が初めての参加でした。Kaigi on Railsは2020年に始まり、今年で6回目の開催とのこと(もっと前からあるイベントだと思っていたので驚きました)。

2024年にはRubyKaigiにも初めて参加しましたが、そのときはセッション内容が高度で、理解するのにとても苦戦したのを覚えています。 一方で、Kaigi on Railsは「初学者から上級者まで楽しめるWeb系技術カンファレンス」というコンセプトの通り、セッションを聞きながら「分かる分かる」と頷く場面が多く、とても楽しく学ぶことができました。

どのセッションも素晴らしかったのですが、今回の記事では、特に印象に残ったセッションをいくつかご紹介したいと思います。

印象に残ったセッション

Keynote: dynamic!

speakerdeck.com

タイトルの“Dynamic”は「継続して変化し続けること」を意味しており、 “一度に正解を目指すのではなく、より良い方向へ少しずつ進化していくことを大切にしたい” というメッセージが込められたセッションでした。

初めから「正解」を選択できることが理想ではありますが、実際の開発では、 そもそも正解がまだ定義されていなかったり、状況の変化によって正解の定義そのものが変わることもあります。 だからこそ、継続的に変化し続ける姿勢が重要であるという考え方に、強く共感しました。

セッションの中では、Kaigi on Rails 2024の島田さんのスライド 「将来、振る舞いを変更するオプションのための設計が大事であり、 それを実現するためには、極力余計な複雑さを持ち込まずシンプルに作る」 というメッセージも引用されていました。 speakerdeck.com この言葉はまさに日々の開発で意識すべき指針だと感じました。

また、「動くソフトウェアで会話する」という話も印象的でした。 実際に動くものを作ることで、利用者や非開発メンバーを含むチーム全体から適切なフィードバックを得られ、 プロダクトを動的に進化させることができます。 動くものを通して初めて見えてくるUXの課題や仕様の抜け漏れ、性能面の問題なども多く、 改めて「まず作ってみる」「動かして対話する」ことの大切さを実感しました。

このセッションを通して、 「正解を探す」よりも「正解を育てる」という姿勢を、 これからのプロダクト開発でも大事にしていきたいと思いました。

避けられないI/O待ちに対処する: Rails アプリにおけるSSEとasync gemの活用

speakerdeck.com

AI(LLM)サービスとの連携による推論待ちなどのI/O待ち問題に対して、SSEとasync gemを活用し、進捗を表示することでユーザー体験を改善するという発表内容が印象的でした。 呼び出し先の性能を直接向上させることは難しい場合が多い中でも、ユーザー体験を良くする工夫としてSSEは非常に有効な手段の一つだと改めて感じました。 弊社でもちょうどLLMを活用した機能を開発中で、この発表内容はまさにタイムリーかつ実践的で、とても参考になりました。

また、発表の中ではSSE実装時のトラブルシューティングについても触れられており、使用していたasync gemに問題を見つけてIssue を立て、PRを送り、最終的にマージまで至ったという話が紹介されていました。 「コミュニティを育てるのは利用者である」という姿勢に深く共感し、非常に刺激を受けました。

終わりに

この記事で紹介したセッション以外にも、実務に活かせる学びが多くありました。 今回得た知見をチームや日々の開発に取り入れ、より良いプロダクトづくりに繋げていきたいと思います。